調査系論文シリーズ

Windowsの場合のデータ読み込みができない場合(p44)

WindowsのPCを使っている場合、データが入っているフォルダの置き場所として、ドキュメントやデスクトップを選択します。ドキュメントやデスクトップにフォルダを置いておけば、作業ディレクトリの設定、データの読み込みの際も、特に問題は生じません。

しかし、Windows10を利用している場合、デスクトップにフォルダを置いているとデータの読み込みがうまくいかないことがあります。具体的には、ディレクトリの設定後にread.csv()関数でデータを読み込もうとするとエラーが出ます。

この場合の原因として挙げられるのはOne Driveの設定です。特に、最近Windows10対応のPCを購入した場合、PCの初期設定としてOne Driveの設定も求められます。このときにデスクトップがOne Driveと同期することで、ファイルへのアクセスがうまくいかなくなるようです。

以上の内容をファイルのパスを用いて説明します。本書の第3章②作業ディレクトリの設定(p41〜)を参考にパスをコピーすると、デスクトップとOne Driveが同期していない場合のパスは、

C:/Users/ユーザー名/デスクトップ/データが入っているフォルダ


のようになります。しかし、デスクトップとOne Driveが同期している場合のパスは、

C:/Users/ユーザー名/OneDrive/デスクトップ/データが入っているフォルダ


のようになり、デスクトップのファイルのパスがOne Driveの下に来ていることが分かります。もし、作業ディレクトリの設定がうまくいっているのにデータが読み込めない場合は、getwd()関数を用いて、作業ディレクトリの確認をしてみましょう。パスの中にOne Driveがある場合は、おそらくOne Driveが原因です。

この場合の解決策として簡単なのは、データが入っているフォルダをドキュメントに移動させる方法です。フォルダを移動させてからRを再起動し、作業ディレクトリの設定とデータの読み込みをもう一度実行してください。デスクトップとOne Driveの同期を解除する方法もありますが、フォルダをデスクトップからドキュメントに移動させる方法をお勧めします。

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