2004年12月アーカイブ

尺度得点

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リッカート法では各項目の素点和を
尺度得点として扱います。
その妥当性に関しては議論が
存在するところだと思うのですが,
今回はその得点の使用法に関する
指摘をしてみます。

心理尺度の中には
・・・尺度得点が
○点以上の人は〜型,
△点以下の人は〜型というように
類型化のために尺度得点を使用するものが
あります。

類型化すること自体に問題はないと思う
のですが,○点以上や△点以下という
基準を設けることについては疑問を挟む
余地がありそうです。

まず当たり前のことですが,
少なくともそのような基準を設定する際には
標準化の作業が必要でしょう。
少数のサンプルの結果を基に
基準を設定することには問題があるでしょう。
つまり,尺度作成の際にどのような母集団を
想定し,どのようなサンプルを用いたかに
関しては明示する必要があると思います。

また,選択肢にどのような評定尺度表現を
用いたのかも明示する必要があると思います。
今まで分析したデータをみていると,
どのような評定尺度表現を用いるかにより
尺度得点の平均点や分散が変わるようです。

そんなことは当然といわれるかもしれませんが,
案外意識されていないのではないでしょうか。

尺度作成の論文をみていると1つ1つの
尺度表現にまで言及しているものはかなり少なく,
多くの場合,
「“あてはまる”から“あてはまらない”の
5件法を用いた」という
記述がされているだけです。

このことは先述したような得点を基に類型化
をする場合には特に重要な情報になると
思います。

個人的な意見ですが,尺度作成の論文の場合は
この辺りまで明示しておいてくれると
後に使う人が迷う必要がなくなると思うのですが・・・。

初?二日連続・・・

社会的コンピテンス・・学部までのテーマです。

M1の時に大学の心理発達論集(院生主体)という雑誌に
卒論をまとめるという形で論文を書きました。

で,これが

・雑誌記事索引でもヒットします。
・自分の業績リストにも入っています。
  →googleなどの検索エンジンでもヒットしてしまいます。

でも今は全然違う研究をしているんです。

まったく興味がなくなったかと言われれば
そういうわけではないのですが,
現在はまったく勉強していません。

見よう見まねで社会的コンピテンスの尺度を
作ろうとしていていろいろと問題にぶつかった
ことが現在のテーマに結びついているということは
間違いないのですが・・・。

社会的コンピテンス目的で
僕のページに来てくれた方,
無駄足を踏ませてごめんなさいm(_ _)m
(結構多いみたいです・・・)

●ブログにこんなことを書くと
 またヒットしてしまいますかねぇ(^_^;)

かなり間隔があいてしまいました。
実は何回も書こうとしたんですが
途中でやめてしまったりしていました・・・

最近は心理尺度に対する項目反応理論(IRT)の
適用についてまとめています。

心理尺度に対してIRTを適用する
メリット・デメリットを挙げているんですが
難しいですね。

確かにいろいろなメリットがあるのですが
あくまで理論上の話で実際にそれを
適用するとなると様々な問題が起こってきます。
ただ単にプログラムを使って計算するだけでは,
うまくいかないことが結構あります。

IRTに限らずどんな分析でもそうだと思いますが・・・